夫が入院した。
しきりに胸の痛みや息苦しさを訴え何度も大きな病院を受診しようとする。
その度に受付から連絡があり、迎えに行く。
夫は「もう明日死ぬかもしれない」と。
私は「死ねばいい」と言ってしまう。声を荒げてののしる。
何度も同じことの繰り返しだ。
私の置かれた状況を見かねて病院の相談員さんが受け入れ可能な
病院を探してくれた。
それ以前に心療内科は受診していたのだが、その病院は予約を取って
くれというばかりで親身にはなってくれなかった。
受け入れ可能な病院はその日の入院も可能なのすぐに連れてくるようにとの
ことで入院することができた。
本人は入院とは思っていなかったようだ。
夫には「また旅行行きたいよね。早く良くなるように病院行こう」
と言うと「そうね、行きたいね。いつ行こうか」
私は「暖かくなったら行こうね。だから早く治そうね」と。
ごまかして連れて行った形になった。罪悪感で胸がつぶれそうだ。
昨日まで「早く死ね」などと言っていたのに、いざ入院となると
可愛そうでならない。
そうね、無事に帰って来てくれるかと心配した。
でもちゃんと母のもとに帰って来てくれた。
お腹を切ってはいもう大丈夫ですというのならいいのだが、認知機能の
障害は厳しいらしい。
ただ今まで認知症の治療はなにもされていなかったので、積極的な治療が
なされると思う。専門医なので。
少しでも良くなればまたこれからの生活も見えてくるかもしれない。
旅行にだって行けるかもしれない。
寂しいが頑張るしかないのだ。
家に帰るとこの子たちが出迎えてくれる。
夫がいる頃は「ただいま」と言うと「お帰り、早かったね」といつも
声をかけてくれていた。
「ただいま」と「おかえり」はワンセットだ。
片方が欠けると意味がない。
大事な言葉なのだ。
もう一度声を掛けあえることを願う最近である。
湿っぽくてだめね。
いらしてくださってありがとうございます。
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